令和3年度 東北大学理学部物理学科 編入"不合格"体験記(面接編)

筆記試験は

tohokuhennyu.hatenablog.com


こちらをご覧ください

口頭試問

この年は新型コロナウイルスの影響もあり面接官の人数は6人と少なくなっていました。待合室から移動して教室に入るとホワイトボードと机の上に1,2と書いてある問題の入ったクリアファイルがあります

口頭試問ではこの4つが聞かれました。

  • 英語
  • 数学
  • 物理
  • その他

英語

5行程度の文章を音読させられた後に文章を和訳します。この時は数学の歴史と惑星の運動の関係が書かれてある文でした。しかし和訳は最初と最後をざっくりとしかできませんでした。

英語の対策には

 

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を使ってました。

数学

の問題でした。これらの式をホワイトボードに書いて答えを導き出した後、

面接官「なぜP^-1APを計算すると対角化できるんですか?」

僕「わかりません」

対角化ができる理由などが聞かれたので数学の教科書などを読んで理解しておくべきだったかなと思います。

物理

分野の先生によって筆記試験の問題を聞くか、別の問題を聞くかは変わります。

一番最初に昨日の筆記試験の自己評価を聞かれ、そのあと各分野の先生が質問をしてきます。

力学が最初で

面接官「自分でどこまで答えがあってると思う?」

僕「最後から二番目の問題は具体的な値を入れるところで時間が来て答えがだせませんでしたが、それを除いて一番最後の問題以外解けました」

面接官「じゃあそれ以降の問題は今解ける?」

僕「全部解けます」

面接官「最後の問題を具体的に導かなくていいので考え方だけ説明して」

僕(ホワイトボード書いて説明を行う)

 

ここで「その式って何?」のような質問や「なんでそこって成り立つの?」の質問などが来て答えました。

ここで「力のモーメントって何?」と聞かれたときに、今まで問題集や過去問ばかりやってたため、その問いの答えが記憶の無限の彼方へと飛んで行ってました。

そのため力学に関してはこれだけが答えられず心残りでした。

次に電磁気学について聞かれます。

この時も力学同様

面接官「自分でどこまで答えがあってると思う?」

僕「こことこっからここまでが解けませんでした」

面接官「じゃあここで今説明させると長いので、導体の平行板と電荷をホワイトボードに書いてください」

僕(ホワイトボードに書く)

 

ここでは鏡像法の問題が出ました。いつも問題で解いている通りに説明しました。ある程度説明すると

面接官「+qの電荷によって導体表面上ではどういう風に誘電されますか?」

僕「こうです(ホワイトボードに書く)」

面接官「このとき面密度はどうなりますか?」

僕「こうです(ホワイトボードに書く)」

面接官「その電場はベクトルですか?スカラーですか?」

僕「スカラーです」

面接官「ほかに質問ある方はいらっしゃいますか?」

 

最後に熱力学が聞かれます

面接官「どこまで解けたと思いますか?」

僕「ここを除いて最後の問題以外解けました」

面接官「先ほど自己評価の時全部解けるという風に言ってましたが解いてみてください」

僕(ホワイトボードに書いて説明する、最後の問題は記述だったので口頭で)

僕「本来熱に変わるはずのエネルギーが分子間力と運動エネルギーに奪われるためです」

面接官「熱に変わるはずのエネルギー?」

僕「えーですから(略)」

面接官「?」

僕「ここまで出かかってるんですけど」

面接官「理想気体とはどのような過程を考えた気体ですか?」

僕「今出てきません」

面接官「理想気体の断熱過程の時のPとVの関係を書いてください」

僕(ホワイトボードに書く)

僕「こうです」

面接官「ではファンデール・ワールス力の式と理想気体の式の違いはなんですか?」

僕「a,bが0の時です」

面接官「a,bって何ですか?」

僕「aが分子間力を表す量でbが分子間力によって縮まった量です」

面接官「では熱力学に関してほかに質問はありますか?」

 

面接官「では、東北大学でどのような研究がしたいですか?」

僕「中学の時から物理の本を~(中略)といった経緯もあり視点を広げるために受けた目的もありますが素粒子を研究したいという漠然としたものがあります」

面接官「素粒子ってどんなものがありますか?」

僕「クォークミューオンヒッグスボソンとかでしょうか」

面接官「ほかにありますか?」

僕「今は出てきません」

面接官「ではクォークって何ですか?」

僕「自分の物理のスタンスとして初等力学から一歩ずつやるということにしてるので啓蒙書に書いてあることは覚えてません」

面接官「電子回路や電磁気などの物理に関係する教科の成績が悪いけどなんで?」

僕「高専で勉強するそういうった科目は理学で勉強することと全然違う内容で期待外れだったので単位が取れる点数ならばよかった」

面接官「例えば?」

僕「例えば熱力学だと自由エネルギーやジュールトムソン効果などはやらず熱機関の細かいことを勉強していました。」

面接官「熱力学でも熱機関って重要だよね?」

僕「ええ、ですから本来熱力学でやる熱機関以上のことを勉強させられます。」

面接官「じゃあどんなサイクルがあるの?」

僕「オットーサイクルやディーゼルサイクルがあります」

面接官「それってなんのために作られたの?」

僕「オットーサイクルはガソリンエンジンのため、ディーゼルサイクルはガソリンより悪い燃料をエンジンとして使うために考案されました」

面接官「それらの点火の仕方に違いはある?」

僕「ガソリンエンジンは点火プラグにより、ディーゼルエンジンは圧縮によって点火します」

 

面接官「ではどんな専門書を読んでいましたか?」

僕はここで本棚を思い浮かべてそこにある本を適当に言ってたら

面接官「では清水明の熱力学の魅力について説明してください」

ここで途中で読むことをあきらめた本の内容を突かれたので

僕「清水明先生の本の魅力はわかりやすいように本来の教科書の順番を変えてる点ですね」

面接官「どのようにわかりやすいんですか?」

僕「本来ここで勉強するはずのこれが・・・」

面接官「もういいんじゃないですかね?」

面接官「では口頭試問は以上です」

 

口頭試問を終えて

口頭試問で不合格となった理由として

  • 基本的な用語の勉強不足

  • 英語の和訳力不足

  • 数学の理論的な面の勉強不足

  • 成績

ではないかと思います。

ここで口頭試問を視野に入れた物理の勉強法として

  1. 基本書で理論を勉強する
  2. 問題集を解く
  3. 過去問を解く
  4. 基本書を読んで定義を確認
  5. 過去問を解く

というのがいいのではないかと思います。

 

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